妖(あやかし)狩り~外法師・呉羽&妖刀・そはや丸~
第二章
三条邸についた呉羽は、女房に案内されて、屋敷の一室に通された。
『どうだい。何か感じるか?』
そはや丸の声に、呉羽は部屋の中をぐるりと見渡し、小さく首を振った。
「いいや。この部屋に来るまでも、頑張って四方を探ってみたが、特に何も感じんな」
妙だ。
貴族お抱えの陰陽師ではなく、知名度もないような外法師である呉羽を呼ぶからには、外法師に頼らざるを得ない状況なのかと思っていたが、そのような妖しげな気は、微塵もない。
となると・・・・・・。
「呪詛でも頼むつもりか?」
権力者には、ありがちだ。
狙う相手が高位であればあるほど、自分と繋がりの薄い術師を使うものだ。
実力は、もちろんあるに超したことはないが、無くてもそれほど問題ない。
呪いをかけた相手側の術者に負けたところで、返された術を受けるのは、依頼した本人ではなく、雇われた術者なのだから。
失敗した呪詛によって死んだ術者が打ち棄てられていようと、依頼した貴族との繋がりが濃いお抱え者でなければ、バレることはない。
「厄介だな・・・・・・」
憂鬱そうに頭を抱える呉羽は、さらさらという衣擦れの音に、顔を上げた。
『どうだい。何か感じるか?』
そはや丸の声に、呉羽は部屋の中をぐるりと見渡し、小さく首を振った。
「いいや。この部屋に来るまでも、頑張って四方を探ってみたが、特に何も感じんな」
妙だ。
貴族お抱えの陰陽師ではなく、知名度もないような外法師である呉羽を呼ぶからには、外法師に頼らざるを得ない状況なのかと思っていたが、そのような妖しげな気は、微塵もない。
となると・・・・・・。
「呪詛でも頼むつもりか?」
権力者には、ありがちだ。
狙う相手が高位であればあるほど、自分と繋がりの薄い術師を使うものだ。
実力は、もちろんあるに超したことはないが、無くてもそれほど問題ない。
呪いをかけた相手側の術者に負けたところで、返された術を受けるのは、依頼した本人ではなく、雇われた術者なのだから。
失敗した呪詛によって死んだ術者が打ち棄てられていようと、依頼した貴族との繋がりが濃いお抱え者でなければ、バレることはない。
「厄介だな・・・・・・」
憂鬱そうに頭を抱える呉羽は、さらさらという衣擦れの音に、顔を上げた。