妖(あやかし)狩り~外法師・呉羽&妖刀・そはや丸~
「実はの、まさに鬼を斬って欲しいのじゃ」
再び己の顎に扇をあて、頼長は呉羽に言った。
「鬼・・・・・・でございますか」
都に鬼が出るなど、ついぞ聞いたことはない。
噂や物語では、鬼の出るところがまことしやかに囁かれているが、そういうところに実際術師が投入されたことはない。
ただの噂に人員を投入するほど、内裏も暇ではないのだろう。
「うむ。場所は、六条の屋敷じゃ」
「河原院ですか」
呉羽の素早い反応に、頼長は満足そうに頷いた。
それもそのはず。
河原院の鬼といえば、この京では知らぬ者はいないほどの知名度の高さだ。
それでなくても、河原院は幽霊話には事欠かない。
「気が進みませぬなぁ」
「ふん。さすがに臆したか」
脇息にもたれた頼長が、元の冷めた目で呉羽を見た。
「当然です。かの屋敷は、皇族でさえも、上がり込んだら元の持ち主である融殿の亡霊に叱られたというじゃありませんか。わたくしなど、どのようなお叱りを受けることやら」
そこかよ、と、そはや丸の突っ込みが、呉羽の頭に響いた。
再び己の顎に扇をあて、頼長は呉羽に言った。
「鬼・・・・・・でございますか」
都に鬼が出るなど、ついぞ聞いたことはない。
噂や物語では、鬼の出るところがまことしやかに囁かれているが、そういうところに実際術師が投入されたことはない。
ただの噂に人員を投入するほど、内裏も暇ではないのだろう。
「うむ。場所は、六条の屋敷じゃ」
「河原院ですか」
呉羽の素早い反応に、頼長は満足そうに頷いた。
それもそのはず。
河原院の鬼といえば、この京では知らぬ者はいないほどの知名度の高さだ。
それでなくても、河原院は幽霊話には事欠かない。
「気が進みませぬなぁ」
「ふん。さすがに臆したか」
脇息にもたれた頼長が、元の冷めた目で呉羽を見た。
「当然です。かの屋敷は、皇族でさえも、上がり込んだら元の持ち主である融殿の亡霊に叱られたというじゃありませんか。わたくしなど、どのようなお叱りを受けることやら」
そこかよ、と、そはや丸の突っ込みが、呉羽の頭に響いた。