チケットが運ぶ幸せ
*。・龍太郎SIDE・。*

「はぁ…」


俺はため息をついて椅子に座った。

静かに流れる時間。

さっきまでざわついていた会場が一気に変わった。

むなしく感じさせる。


早く来いよ…。

~~♪

『着信 知念侑李』

俺の携帯に知念くんから着信がかかる。

「もしもし」
『龍太郎?

いまどこにいるの?
トイレって長くない!?
もしかして、ウ「じゃないから。
今から行く」

わかったぁ♪
早めに来てね!
皆待ってるから!』
「わかった」


どうしよう…。
この携帯…。

まだ来そうにないし。

俺はとりあえず椅子の上に携帯を置いた。

俺にはちょうど良かった。

相手は声を聴いても俺だと判らなかったみたいだし、顔を見られるのもヤバイ。

……とりあえず、これだけは。

そう思い、俺はたまたま入っていた小さな紙切れとペンをとりだし、あることを書き、携帯の上に置いておいた。

それから俺は、メンバーの元へ急いで向かった。

それから俺はその携帯はちゃんと本人の元へ戻ったかは知らない。

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