【短編】白雪
雅人Side


雪奈はキョロキョロと目を泳がせて、ふと一点を見つめると目を閉じた。

そして、決心したようにゆっくりと目を開ける。


俺をジッと見て、唇を噛む。



「笑わない?」

「なんで?」

「いいから!」


雪奈はそう言うと俺を強く見上げる。



「…笑わない」

「何よその間は…」


今度は苦笑い。



「早く言ってみ?」


ん?って首を傾げてみせる。



「………あのね?」

「うん?」

「さっきのドラマのことなんだけど…――









雪奈Side



あたしは全部話した。


ドラマのことも、あたし達の関係の不安についても。



こんなくだらないこと、笑われちゃうかな?って思ったけど、雅人は黙って聞いてくれて…嬉しかった。





そして、話し終わった時、雅人が言った。



「………行くぞ」





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