【短編】白雪
あたしが呟くと、雅人がぷっと噴き出した。
「みたい、じゃなくてそうだって」
「…なっ!///」
雅人の台詞に顔が熱くなる。
「雅人の馬鹿…恥ずかし……」
「雪奈真っ赤♪」
キラキラ光るツリーの下で、真っ赤な顔でぶつくさ文句を言う女と、それを見て笑う男。
傍から見ればすごくラブラブなカップルだろう。
それをしてるのがただの一般人なら。
「やっぱり雅人だよぉ!!」
「だからあの女誰ー!?」
「彼女いたの??」
「嘘ーッ!!!」
徐々にヒートアップしていく周りの(女の人の)悲鳴のような声。
あーあ。
明日すごいだろーなー。
なんて呑気に考えてるあたし。
「帰るか?」
雅人が隣りで微笑む。
「そうだね」
あたしもそう言って微笑み返した。