夢のなかのあの人
夢の中の王子
「ニヒヒヒ・・・。」
かわいいって言われちゃった。
はぁー。あんな王子さまが、あたしの目の前に現れてくれたらなぁ・・・。
あたし、死んでもいいかも・・・なんちってね。

ーーブーブーブー
ケータイのバイブ音だった。
「もしもし~」
『もしもし~、愛』
「桃・・・?」
『そうだよぉ、ゴメン、寝てた?』
時計を見ると、まだ六時半頃だった。
「大丈夫。いいよぉ。」
『ありがとぉー!』
いつも元気だなぁ・・・桃は・・・。
佐々木桃。あたしの大の親友。
「で、何か用?こんな早く・・・。」
『もうっ!なんか愛怖いよぉ・・・。』
「で、何?」
『怖いよぉ・・・。あ、明日さぁー。一緒にお買い物するじゃん。』
「うん。楽しみぃー。」
『そのことだよ。詳しく決めてなっかたじゃん。』
「なんだぁー。桃のことだから、何かしょうもないことかなぁ、って思ってた。」
『ちょっとー!!』
そして、あたし達はたくさん笑いあったんだぁ。

「ふーぅ、明日は楽しみだなぁ。」

そして今日もまた同じ夢を見たんだ。
王子と違う会話がしてみたいけど・・・。
なかなか、そこから発展していかない。
夢というものは、思ったほどそう簡単に思うようにはいかないんだ。って実感した。

「おっはよぉー。愛」
「おはよ、桃」
「今日はいつもよりオシャレですなぁー、愛さん。」
「それはそれは、どうもありがとうございまぁす。桃さんも十分かわいいですよ。」
「ありがとぉございます。」
こーゆうのが、あたし達のあいさつ。
変わってるって? 別にいいじゃん。
「んじゃ、レッツゴー!!」
「ゴー!!」

「いっぱい買ったね。」
「うん、買いすぎちゃった。」
「アハハハ。」
その時だったんだ。
「どうしたの、愛」
「えっ??ううん、何でもない。」
「何だぁー。かっこいい人でも見つけたのかと思った。」
かっこいい人・・・。見つけたよ・・・。
夢で会った王子さま。歩くん。
これって運命なにかなぁーって期待ちゃうよ・・・。
大道歩くん。夢で会った王子さまと同じ。
だけど、生で見た方が何十倍、何百倍、何万倍もかっこよかった。
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