僕はいつでもキミの傍に
店の中には動物特有の、何とも言えない香りが充満している。
その中には犬や猫、インコにハムスターにウサギと、様々な動物達が平和的オーラを放っていた。
彼女は少し大きくなってゲージの柵へと出されてしまっている、パピヨンの元へと近付いてく。
彼女が柵の前にしゃがむと、パピヨンは嬉しそうにフサフサの尻尾を振りまるで蝶の様に立派な耳をピンと立てた。
「可愛いね」
そう言って彼女が、まるで小さな子供の様な無垢な笑みを浮かべた。
その眩しい笑みに……一瞬、息を呑む。
……こいつのこんな笑顔見たの初めてだったから。
何故か心の中で自分に弁解すると、自分の不覚にもときめいてしまった心臓を恨んだ。
……柏木瑞穂はよく見れば可愛い女の子だと思う。
セミロングの黒いサラサラの髪に、同じく真っ黒で円らな瞳。
白く細い手足に、華奢な体。
……霧島修司の気持ちが分かる気がする。