僕はいつでもキミの傍に
24 近藤 健一
手にした書類を捲りながら、グッと唇を噛み締める。
書類には柏木美智子が新興宗教に多額の寄付を出している事が淡々と書かれていた。
彼女は家の財産の殆どをこの教団に寄付し、しかも借金もかなりの額になっていた様だ。
すでに家も担保に入っていて、恐らく首も回らない状況だったと思う。
「柏木美智子は、何故宗教なんかに?」
俺のその問いに古川さんは首を傾げてニヤリと笑って見せる。
「それを探すのが俺達の仕事だろう?」
そう言うと古川さんは銜えていた煙草を灰皿に捨て、スタスタと扉へ向かって歩いて行く。
その彼の背中を見つめながら……昨日の出来事が頭を過った。