僕はいつでもキミの傍に
リビングのフローリングに横たわる様に……母が死んでいた。
夥しい赤い水溜りの中に、怖ろしいモノを見たかの様に目を見開いた母が倒れている。
……それだけではない。
その横に母と同じ様に男が倒れている。
少し小太りのスーツを着た中年の男。
……長谷川……さん?
彼の事は知っていた。
駅前にある小さな不動産会社の社長さんで、母と……亡くなった父の古くからの知人らしい。
彼の体は鋭い刃物で何度も刺された様に、数え切れないほどの傷が付いていた。
良く見ると母の胸にも刺された様な傷が見える。
……どうして?
フラフラと一歩後ずさると、コツンと足に何かが触れた。
ゆっくりと視線を床に下ろすと、それは……血で真っ赤に染まった包丁だった。