僕はいつでもキミの傍に
28 ?
「……じゃあ、また後で」
そう言ってカチャリと受話器を置き、小さく息を吐いた。
……近藤健一。
あの刑事はもうすぐ僕等の真実に辿り着いてしまう。
……僕等が隠し続けている真実に。
それなら……やるべき事は決まっている。
僕は彼を殺さなくてはならない。
「……瑞穂。君を悲しませる全てのモノを僕が消してあげる。だから……だから……」
そう声を詰まらせたままそっと窓から空を見上げると、真っ暗な闇の中に少し欠けた月が悲しく光っている。
その光は優しく……しかしまるで罪深い僕を咎めるようにただ静かに淡く光り続けていた。
……僕はやらなくてはならない。
《瑞穂を守る》
それだけが……僕の生まれた理由なのだから。