僕はいつでもキミの傍に
29 柏木 瑞穂

「起きろって言ってんだろ!!」

急に聞こえた誰かの怒声に、勢いよく飛び起きた。

「……あ、あれ?」

状況が把握できないまま辺りをキョロキョロと見回すと、目の前の男が大きなため息を吐いた。

その男の姿に虚ろだった意識が覚醒し、記憶が瞬く間に蘇る。

……鈴村探偵事務所。

心の中で今自分の居る場所の名を呟くと、少し困った様に眉を顰めている男は机の上にドサッとビニール袋を置いた。
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