僕はいつでもキミの傍に

「来てくれたんですね……近藤さん」

後ろから聞こえた声にそっと瞳を閉じる。

「俺をここに招待してくれたのは……君だろ?……綾子ちゃんを利用して俺を呼び出したりして」

そう言って後ろを振り返ると、目の前の彼は妖しく甘美な笑みを浮かべた。

「何故一人でここに?警察に話せば……僕を捕まえる事なんて簡単だったはずでしょう?」

「……さぁ、どうしてかな」

不思議そうに首を傾げて見せる彼に、困った様に笑みを返した。

「貴方はとても正義感の強い人だ。そして悲しい位に優しい人」

彼はそう言って悲しそうに笑うと、そっと空を見上げた。
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