僕はいつでもキミの傍に
……救急車?
目の前の壁の前を救急車の赤い光が横切るのが見えた。
この辺りは区画整理で廃ビルになっている一帯だ。
こんな所に居るのはホームレスか肝試し的な感じでココを訪れる若者に、スプレーの落書きが趣味の痛々しいヤンキー共くらいしかいない。
……こんな所に?
何故かとてつもない不安に駆られ、救急車の赤いランプの行方を見届ける。
するとそれは俺の居るこのビルから三棟離れたビルの前で止まった。
……いやな予感がする。
そんな事を思うよりも早く、勝手に足が動き出し、そのビルへと向かって走って行った。