僕はいつでもキミの傍に

「……近藤……さん」

その赤い海に溺れる様に、私服姿の近藤さんが横たわっているのが見える。

仰向けで倒れる彼の腹部には刺し傷があり、そこから夥しい血が流れ落ちていた。

彼の真っ白のTシャツが血で赤く染まり、それをガラスの嵌められていない窓から差し込む月明かりが淡く照らしている。

「……近藤さん……しっかりして!!」

そう言って横たわる彼を必死に揺り動かす……少女の姿を見つめた。
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