僕はいつでもキミの傍に
「大丈夫?瑞穂ちゃん」
名前を呼ばれ顔を上げると、彼女は近所に住んでいる主婦の鈴木さんだと分かった。
買い物帰りなのか両腕にはスーパーの袋が掛かっていて、ビニール袋からネギが飛び出している。
「……す……鈴木……さん!」
張り詰めていた恐怖と知っている人に出会えた事に安堵し、ボロボロと涙が零れた。
「危ない所だったみたいね?知ってる奴なの?」
鈴木さんの問いかけに小さく首を振って答える。
「最近は変な奴が多いみたいだね。歩ける?」
鈴木さんが優しく頭を撫でてくれるが、足が震えて動かなかった。
……そうだ……お母さん達は……
「……警察……」
私の小さな呟きに鈴木さんが大きく頷く。
「そうだね。警察に行った方がいいかもね。最近ストーカーとか多いらしいし……」
「……違うの……お母さんが……」
鈴木さんの言葉を遮り、涙をボロボロと零したまま事の全てを伝えた。