僕はいつでもキミの傍に

「行くぞ」

刑事の男に左右を囲まれ、霧島がビルの外へと向かって歩いて行く。

「待てよ!!」

離れて行く霧島の背中にそう叫ぶと、霧島は歩く足を止めて俺をそっと振り返った。

「お前が俺の親父を殺したのか!?答えろ!!」

俺のその叫ぶ様な問いに霧島は俯いたまま何も答えない。

「何故、俺をここに呼び出した!!」

……そう、俺を呼び出したのは……霧島修司だった。

コイツは事件の真実を話すと言って、俺をあの場に呼び出した。

しかし約束の時間を過ぎても、奴は現れなかった。

そして今、こんなイカレタ状況に陥っている。

俺の問いに霧島は顔を上げると、困った様に首を傾げて見せる。
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