僕はいつでもキミの傍に

「……さぁ、俺にも分かりません。でも……一つだけ」

そう言って彼が顔を上げると、格子の嵌った窓からそっと空を見上げた。

空には眩しい夏の太陽が光り、抜ける様な青い空が広がっている。

「みんな《優しい》んです。でもその《優しさ》が間違っている。……ただ、それだけなんです」

そう言って彼は涙を流したまま自嘲気味に笑うと、眩しい光を浴びながら……そっと瞳を閉じた。
< 154 / 289 >

この作品をシェア

pagetop