僕はいつでもキミの傍に
34 ?

……本当にこれでよかったのだろうか。

そんなもう何度目かも忘れてしまった問いかけが、僕の頭の中を巡り続ける。

……いや。

……そんな事を今更考えても仕方がない。

何故なら全ては……もう終わってしまったのだから。

修司が捕まったあの日から……瑞穂はずっと泣いている。

刑事の口から放たれた悲しい真実を受け止めきれず、一人きりで涙を流し震えていた。

……泣かないで。

……泣かないで瑞穂。

そう呟いた僕の声は……彼女には届かない。

彼女はただ声を殺し、強く膝を抱えたまま泣き続けるだけ。
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