僕はいつでもキミの傍に

「……もしもし?瑞穂?」

携帯のスピーカーからいつもの優しい彼の声が聞こえる。

「……修ちゃん……」

彼の名前を呼ぶと同時に、収まったはずの涙が再び零れ落ちた。

「どうした?何かあったのか?」

心配そうな彼に、さっき起こった全ての出来事を伝える。

「……分かった。すぐに行くから瑞穂はそこにいて」

彼はそう言うと電話を切った。

溢れ出た涙を拭うと、電話を終えた鈴木さんが隣に座った。

「すぐに警察が来てくれるって」

そう言うと鈴木さんは私をギュッと抱き締めた。

鈴木さんの温かな体温に、死んでいる筈の母の温もりを思い出し……また涙が流れた。
< 16 / 289 >

この作品をシェア

pagetop