僕はいつでもキミの傍に

私は今まで気付く事が出来なかった。

瑞穂の笑顔の裏に隠れた真実を。

あの子は心の中で泣いていたのだろうか。

あの人は悲しみの中でもがいていたのだろうか。

眩しい笑顔の裏に隠された真実を……私は見つける事が出来なかった。

そして今……結局、私は何も出来ずにいる。

ただ誰より傍に居ようと思ったところで、私の居場所は元からありはしない。

誰よりも彼女に近く、誰よりも彼女の傍に……『彼』が居るから。

……それでもいい。

彼女の傍に居られるのなら。

この想いが届かなくても、悲しくも切なくも無い。

ただ願う事は一つだけ。



私はあの子の……笑顔が見たい。
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