僕はいつでもキミの傍に
「……どうして……何も言わなかったんですか?」
私のその問いに彼が顔を上げ、悲しそうに瞳を揺らして私を見た。
「どうして……だろうね。僕にもよく分からないんだ」
そう言って彼は少し自嘲気味に笑うと、小さく息を吐いた。
「ただ……僕は余計な事をしてしまったのかもしれないね。僕があんな事を言わなければ……彼があんな事をする必要もなかったのかもしれないのに」
近藤さんはそう言うと、そっと包帯の巻かれたお腹に触れた。