僕はいつでもキミの傍に
……誰?
……これは誰の記憶?
……違う……私の記憶。
目の前には靄が掛り、辺りを見回しても何も見えない。
しかし隣の手を繋いでいる男だけは、確かにそこに存在している様に感じた。
手を繋いでいる……お父さんを見上げる。
「お父さん。どこに行くの?」
その私の問いかけにお父さんは優しく笑うと、そっと私の頭を撫でる。
『お仕事だよ』
お父さんはそう言って私の頭を撫で続ける。
「……お仕事は……嫌だよ」
そう俯いて呟く私を見て、お父さんはまた優しく笑った。