僕はいつでもキミの傍に

『今更謝っても……もう遅いよ』

私の口から勝手に声が漏れ出し、私の包丁の握られた手が静かに掲げられる。

……やめて。

『僕は瑞穂を守る為ならなんだってしてみせる。たとえ母親の貴女を殺す事になったとしてもね』

そう言って私の唇が吊り上がり歪な笑みを浮かべると、母は更に怯える様に一歩後ずさった。

……やめて。

……やめて!

……やめて!!

私のその必死の声は届く事無く、包丁が母に向かって振り下ろされる。

……やめて、やめて、やめて、やめて、やめて!

包丁は母の胸に鈍く不快な音と共に突き刺さり、辺りに赤い飛沫が舞った。

その瞬間、辺りが一気に闇に包まれる。
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