僕はいつでもキミの傍に
「……大丈夫」
そう言うと瑞穂さんはポツポツと状況を説明し始めた。
……簡単に説明すると、こうだ。
楠さんと下校しいつもの交差路で分かれると、後ろに人の気配を感じた。
振り向くと灰色のジャンパーを着た怪しい男が居た。
男が怖くなり慌てて家まで走り、鍵を開けて家に入った。
覗き穴から外を覗くと男は居なかった。
そのままリビングに向かうと、母親である柏木美智子(カシワギ ミチコ)さんと、美智子さんの古くからの友人の長谷川茂典(ハセガワ シゲノリ)さんが死んでいた。
余りの事にパニックを起こし、靴も履かないまま外に飛び出し走っていると、交差路で灰色の男に腕を掴まれた。
逃げようと暴れている所に、彼女の自宅から二軒先に住んでいる主婦の鈴木さんが偶然通りかかり、灰色の男は逃亡。
その場で鈴木さんに事件の事を伝え、鈴木さんが警察に通報。
そして手にしたままの携帯が鳴り彼に事情を伝えると、彼は十分後に鈴木さんの家まで彼女を迎えにきた。
……そして今に至ると。