僕はいつでもキミの傍に
「俺は柏木美智子を告発しようと思っている」
彼のその言葉に、愕然とした。
「そんな事をしたら、瑞穂はどうなるか分かってるの?」
震える声でそう呟くと、彼は真剣な顔をして頷いて返した。
「恐らく彼女は施設に入る事になると思う。でも……」
「もう終わったんだよ!!今、瑞穂は普通に暮らしているんだ!!アンタがこのまま放っておいてくれたらそれでいいんだ!!瑞穂だって幸せに……」
「それは違うな。このままでは彼女は救われない。……それにお前もな」
そう言って彼が真っ直ぐに僕を見つめた。
その瞳は僕の弱い心全てを見透かしてしまう様な不思議な瞳で、それから逃れる様に僕は彼から視線を逸らした。