僕はいつでもキミの傍に

「お前に僕の何が分かるって言うんだ!!」

その声と共にレンが俺の胸倉を掴み、そのまま俺の体が地面へと叩き付けられた。

「お前に何が分かる!!僕にはこうするしかないんだ!!こうするしかなかったんだよ!!」

そう言って涙を流すレンは、俺の胸倉を掴んだまま……マンションの屋上から俺を落とそうとする。

頭がすでにコンクリートから離れ、何もない空間に浮かんでいた。

レンの腕を掴み、それを振りほどこうとするが……ビクともしない。

……この……力。

女の体で出せるとは思えない凄い力に、ギリッと歯を食いしばった。
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