僕はいつでもキミの傍に
47 柏木 瑞穂
目の前の赤い海をただ茫然と見つめる。
『もうすぐ救急車がここに来る。いいな、お前はすぐに鈴村の事務所に戻れ。近藤さんを刺したのは俺だ。お前は何も知らない。いいな!?』
そう言って目の前の……修ちゃんが床に転がったままのナイフを手にした。
彼の手にしたナイフから真っ赤な血が滴り落ち、地面に広がった赤い海にポトポトと落ちて行く。
『でもそれじゃ、修司さんが!!』
近藤さんの腹部を押さえながら綾子が取り乱す様に叫ぶと、修ちゃんは優しく笑って深く頷いた。