僕はいつでもキミの傍に

彼がそっと手の平を見ると、すでに赤黒く変色した血液で手の平は染まっていた。

彼はゆっくりと立ち上がると、フラフラと洗面台へと向かって歩いて行く。

そして蛇口を捻ると、ただゴシゴシと手を洗っていた。

すでに血は洗い落ち、肌が擦れ血が滲み出しても、彼は手を洗う事を止めなかった。

『……仕方ないんだ。これしかないんだ。こうするしか……瑞穂を守れないんだ』

ゴシゴシと痛々しく手を洗い続ける彼は、ボロボロと涙を零したままそう繰り返す。
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