僕はいつでもキミの傍に

彼が私の手帳に書いたあの言葉。

《泣かないで瑞穂。君を悲しませる全てのモノを僕が消してあげるから》

そう書かれたその文には……続きがあった。

私の記憶から消されたはずのその文字は、今は鮮明に私の脳に浮かんで見えた。

《……だから……僕の事に気が付いて》

その彼の悲しい願いに胸を痛めたまま、自分の犯した深い罪に体が震えた。

……私を守らなくては。

そう繰り返す彼の気持ちが、何故か痛い位に分かった。

……そして彼の『本当の願い』も。



「……レン」

そっと彼の名前を呼んだ。

それは遠い昔の地獄の日々を生きる私の名で、それは遠い昔の地獄の日々を生きる彼の名だった。
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