僕はいつでもキミの傍に
48 レン
「……レン」
急に聞こえた声に、ビクリと身を竦めた。
そっと辺りを見回すと、どこまでも果てしない白い空間が見える。
……僕は……何をしていたんだっけ。
記憶が混濁し、状況が理解できなかった。
……そうだ……僕は……鈴村誠を……
そんな事を思い出した次の瞬間、目の前のあり得ないモノにゴクリと息を呑んだ。
漆黒の髪を微かに靡かせ、優しくどこか儚い笑みを浮かべる彼女を……僕は知っている。