僕はいつでもキミの傍に
50 古川 義之

「違います!俺がやったんです!!二人を殺したのは俺なんです!!刑事さん!!」

縋りつく様に俺の腕を掴み、霧島修司がそう叫んだ。

「いや、すでに柏木瑞穂が自供を始めた。君は何も知らなかったと。ただ柏木瑞穂を庇って虚偽の自供をしたとそう証言した」

俺のその言葉に霧島は目を見開き、愕然としたまま力なく地面に膝を付いた。

「……なんでだよ……レン」

彼は小さくこの事件の『犯人』の名を呼び、茫然と灰色の壁を見つめている。

その瞳はもう何も見えていないのでは思うほどに暗く淀み、まるでこの世の全ての希望を失ったかの様に光を失った。
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