僕はいつでもキミの傍に
52 霧島 瑞穂
そっと目を開くと、目の前には……赤い空が広がっていた。
まるで血の様に赤く染まった空。
美しいと思う反面……少しだけ切なくなった。
何故そんな風に感じるのかは分からない。
そっと辺りを見渡すと、そこは一面の砂漠に覆われている。
オレンジと褐色の砂が、何処かから吹いて来る風にサラサラと揺れていた。
その砂の中にはボロボロに朽ちた灰色の塊が見える。
その輪郭をなぞる様に視線を移していくと、その正体に気付く。
それは……倒壊したビルだった。
灰色のコンクリートが粉々に砕け、微かにその形を保ったまま砂に埋もれている大きなビル。
そっと視線を落とすと、元はビルの一部だったと思われる灰色の欠片に自分が座っていた事に気付いた。
……ここは……どこ?
そんな今更な問いが、頭の中に浮かぶ。