僕はいつでもキミの傍に
4 柏木 瑞穂
お母さんと長谷川さんが死んでから……二週間が経った。
事件の事が広まってしまった高校には行き辛く、一度も登校しないまま夏休みに入っていた。
事件現場も警察の人が綺麗に片づけてくれたが、家に居る気にはなれず、最低限の着替えと私物を持って……今だに彼の部屋に居させてもらっている。
彼は『いつまでいてもいいよ』と言ってくれるが、いつまでもここに居る訳にはいかないと分かっている。
でもこれからどうしたらいいのかは一向に分らないまま、あっという間に時間だけが過ぎて行った。
クーラーの効いた涼しい部屋の壁に掛けられた制服と、その下に置かれている通学用の鞄を見つめギュッと拳を握り締める。
……何故、あんな事になってしまったのだろうか。
目を閉じる度にあの残酷な光景が浮かび、胸が締め付けられる様に苦しくなる。
あれから何度か刑事さんが訪ねてきたが、まだ犯人の手掛かりは見つからないらしい。
……絶対に犯人を許さない。
その時、ガチャリと音を立てて部屋の扉が開いた。