僕はいつでもキミの傍に
8 鈴村 誠
喫茶店から出てきた男女の三人組は、皆一様に青い顔をしていた。
……何かあったのか?
額から滲む汗を手の甲で拭いながら、その三人の後を追う。
三人はどうやら柏木瑞穂の彼氏の家に帰るようで、少し早足でスタスタと歩いて行く。
人込みを避けながら後を追っていくと、三人は大通り沿いから細い路地に曲がった。
……マズイ。
細い道路では尾行はかなりばれ易くなる。
しかし今、あの女を見失うわけにはいかない。
グッと唇を噛み締めると、少し小走りで三人の曲がった路地裏に入った。
しかしそこには……誰も居ない。
「……チッ…見失った」
そう呟いたその時、胸にドンという衝撃を感じたかと思うと、壁に背中を強打した。
「……ぐっ」
小さく声を漏らし、目の前の……イケメン青年を見つめる。