僕はいつでもキミの傍に
13 柏木 瑞穂
そっと目を開けると……雨の音がした。
ぼやける視界で辺りを見回すと、私に寄り添うように……彼が眠っていた。
ベッドの端に突っ伏したまま眠る彼のつむじが見える。
そっと握られたままの手を握り返すと、彼が静かに目を開く。
彼は少し虚ろな目で私を見た後、すぐに目を見開き……優しく笑った。
「ご、ごめん。俺も寝ちゃった」
そう言って彼が少し恥ずかしそうに笑う。
……鈴村誠に会った後、私たちは真っ直ぐに家に帰った。
彼の言っていた事があまり理解できず、取り乱す私を二人はずっと慰め続けてくれた。
子供の様に泣きながら……どうやら眠ってしまったらしい。
窓から外を見ると、午前中はあんなに晴れていた空から雨が降っている。
「……綾子は?」
その問いかけに彼は少しだけ表情を曇らせた。
「用事があるみたいで……今日は帰った」
「……そっか」
小さく呟きそっと起き上る。