僕はいつでもキミの傍に

「どうして……俺の携帯が?」

「……柏木瑞穂さんの友人から名刺を預かりました」

彼の問いにそう答えると、状況が理解できなかったのか、彼は困惑したように「え?」を連発した。

「刑事になったんです……俺」

その答えに納得したようで、彼は暫く沈黙を続けた後、「そうだったんですか」と小さく呟いた。

その次の瞬間……スピーカーの先からクスクスと笑い声が聞こえる。

「やっぱり……繋がってるんだ」

……二つの事件は。

……彼が言ったのは多分そういう意味だと思う。

「それで俺の事、刑事さんにチクられた……って事ですよね」

そう言って彼はまた可笑しそうに笑った。
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