僕はいつでもキミの傍に

まるであの時の……『彼』の様だ。

そんな事を思ったまま『彼』を見ると、彼は昔の自分の姿を重ねているのか、とても悲しそうな顔をしていた。

しかし次の瞬間、グッと拳を握りしめ彼が口を開いた。

「……俺はお前に絶対に嘘を吐かない。……約束する」

その彼の言葉に彼女は顔を上げると、真っ直ぐに彼を見つめた。

「だからお前の話……ちゃんと聞かせてくれ」

彼の真剣な眼差しに彼女は少し考える様に視線を逸らし……それから小さく口を開いた。
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