僕はいつでもキミの傍に

「……いない」

男の姿は見えなかった。

……私の考え過ぎだった?

小さく溜息を吐き床に投げっぱなしの鞄を手にすると、リビングに向かい廊下を進んで行った。

……それにしても今日はお母さん家に居るはずなのに。

鞄から携帯電話を取り出し、小さな液晶のデジタル時計を見ると18:36を示していた。

……こんな時間に買い物にでも行ったのかな?

少し首を傾げながらリビングの扉を開いた……その瞬間、思考が止まった。
< 9 / 289 >

この作品をシェア

pagetop