僕はいつでもキミの傍に
23 鈴村 誠

Mの黄色いマークで有名なファーストフード店で食事を済ませると、特に目的もないままブラブラと街を彷徨う。

デパートや本屋、ゲームセンターに雑貨店。

……このまま事務所に居ても、特にやる事ないからな。

俺なりに彼女を元気付けようとこうして連れまわしている訳だけど、果たしてそれが本当に彼女にとってプラスに働いているのかは疑わしい。

でも彼女は昨日よりは比較的落ち着いた様で、少しずつだが俺に話しかけてくるようになった。

「気を使わせちゃって……ごめんなさい」

急に彼女がそう言って俺を見ると、彼女なりの精一杯の笑顔を作る。

「……別に。アンタは俺にとって大事な情報源だからな。……親父の真相を暴く為の」

そうそっけなく答えると、彼女は困った様に笑って小さく頷いた。

……もっと他の言い方あったかも。

自分の言った少し思いやりの欠けた言葉に後悔しながら、二人でトボトボと街を歩き続ける。
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