狂おしいほどに、恋の戯曲を


 「・・・・せがわ!
  ・・・・おい長谷川!!!無視すんなよ!!!!!」



「え!?」



はっと気がつくと、お昼休みになっていて、
同じクラスの伊藤 優斗(いとう ゆうと)が私に話しかけていたらしい。



「ああ、優斗くん。なに」


「何じゃねーよ!一体何回呼んだと思ってんだ!?あ?
お前が1限来なかったせいで俺が古文当たったんだぞ!」

「ええ・・・、そんなこといわれたって・・・・・。
別にそれ私のせいじゃなくない!?

ねえ那智!?」




「え!?あ・・・う、うん・・・・。」



「いや、ぜってーお前のせい!
責任とってなんかおごれ!!!!!」



(はあ・・・こいつ、それが目当てだな。)



「はいはいごめんね。明日ジュースでもおごるから許してよ。ね?」



「・・・・分かった。ジュースで勘弁してやるよ。」





そんなやり取りをしていたら優斗くんは友達に呼ばれてお昼を食べに行った。




「ふう。
なんか那智って、優斗くんに弱いっていうか・・・もっとガツンと言ってくれたらいいのに!」



「え!?そう!?弱いかなあ・・・。うん・・・・。


いや、そんなことより!ゆいの話でしょ!今朝何してたの!!!!」




「え!?いや、私の話はいいから!!!!!」


結局私が口を割ることもなく昼休みも終わり、放課後を迎えた。
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