狂おしいほどに、恋の戯曲を
梅雨に入って、雨の日が続いている。
ポケットに財布と携帯を押し込んで、傘も持たずに家を出て。
行き先のあてがあるわけでもなくただただ濡れて、彷徨った。
来たこともないような、どこか分からない場所に来るまで歩き続けて
帰り道も分からないような場所だと気づいた時には、その場にしゃがみ込んでいた。
お父さん、お母さん………。
二人に「いらない子」と言われた私は、一体どうすればよいのだろう?
「うぅ………」
「何してるの?」