狂おしいほどに、恋の戯曲を


「ゆい?どうしたの?」




「何見てんのお前ら」

那智は雑誌に目が釘付けになってる私に一瞬疑問を抱いたようだが、
次に降りかかった声に表情を変えた。


「ゆ、優斗くんっ。ええっと、モデルのタクトだよっ!!
雑誌に特集載ってたの!」

「へえ~。二人ともこんなのが好みなわけ?」


「こ、こんなのって、優斗君に比べたらすっごいかっこいいじゃん!!」

思わずむっときてそう言い返したのは私だ。


「な、なんだよ。長谷川ってこういうの興味ないと思ってたけど。」


「う、別に興味あるわけじゃないし!一般論を述べたまでよ!!!」


「前から分かってたけどお前ほんとひでえ奴だな…。
っあ、てゆーかお前ジュースまだおごってもらってないぞ!」


この前した約束の次の日は、土曜日だったのだ。


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