狂おしいほどに、恋の戯曲を
「ただいまー。」
「お、おかえりなさい…。」
夕飯の支度をしていると、春日さんが帰ってきた。
もっと遅く帰ってくると思ってたから、心の準備ができてない!
これって、本人に確認とるべきっ!?
万が一、なんかほら…実はあのモデルは双子の弟だったりするかもだし…。
でも、私がそのこと知らないっていうことで春日さんは私のこと置いてくれてるのかな…?
それだったら言えない…ましてや好きになっちゃったなんて、絶対絶対言えない……。
そんなことを考えていたせいだろうか、
「変な顔。」と、笑われてしまった。
「う…。そりゃ、春日さんに比べたら変な顔ですよーだっっ!」
「ウソウソ。今日の夕飯なに?」
優しい笑顔に魅せられて損ねかけた機嫌も瞬時に吹き飛んだ。
「お魚…。」
早速魚を料理に取り入れる私って、どうなんだろう。とも思ったが、
その後に見た春日さんの表情に
作ってよかった、と思わされたのは言うまでもない。