狂おしいほどに、恋の戯曲を




「兄弟…?弟が二人いるけど?」


「もっもしかして双子ですか!?もしや三つ子!!!?」



まさかのビンゴ!?
なんて思って質問を畳み掛けると
なんだそりゃ、とクスクス笑われてしまった。

どうやらあの雑誌に載っていたのは、
やはり春日さんに間違いなさそうだ…。



「ユイは?兄弟いるの?」


どうやら興味をひいてしまったようで、
教えてよ、と見つめられた。



「あ……えっと、私一人っ子なんです。」


「へぇ〜、確かに意外って感じではないね。」


「それ、よく言われます…。
いいなあ春日さん…兄弟って、結構憧れなんですよねぇ…。」



オカズの取り合いとか、
テレビのリモコンの取り合い。
実際にそういうの経験してる子は
一人のが楽でいいじゃんって言うけど、
やっぱり家族は多い方が楽しいと思う。




「あー、でも最近全然会ってないんだよなー」


そう言ってしばらく空を見つめていた。
弟を思い出していたのだろう。



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