狂おしいほどに、恋の戯曲を
そのまま冷蔵庫を漁り出す姿に
本気で通報しようかと携帯に手をかけた時、
「俺、一応ここの住民なんだけど。」
奏太って聞いてない?と首を傾げられた。
「っあ、もしかして…あの部屋の?」
そう言って今私が使っている部屋を指差すと、そーそーと頷く彼の手には、私の作りすぎたパスタが握られていた。
「これ食うよ?」
はいどうぞ、と言う前に
既にフォークが突き立てられていた。
半分ほど食べ終えた所で私を見つめる奏太さん。
(ゴク…。な、なに…。)
「で、タクはどこいんの?」
「あ、えっと、今日から四日間家空けるって…。」
「は〜!?せっかく帰ってきたのに、
なんつータイミング悪いんだよ!」
そ、そんな私にキレられても困る…っ!
「金曜日には帰ってくるって、言ってました。」
そう言った私を凝視する奏太さん。
「な、なにっ…!」
そう言ってズッと身を引く私を見て、
おかしそうに笑うのだ。