狂おしいほどに、恋の戯曲を
「にしても、タクが居候をね〜?」
何か言いたげな瞳でジロジロと見られ、痺れを切らす。
「なんなんですか!!」
「いや、落ち着いてよ、ね?
あ、名前なんてーの?」
「由依です…。」
何だか上手いこと回避された気がしてならない。
「ゆいちゃんねー。
ゆいちゃんはさー、タクのこと好き?」
「ゲホッゲホッッ」
思わぬ質問に水を飲み損ねた。
意図せずほてる顔が、はいと言ってるようなものだ。
「スキ、かもしれないです…」
「タクは、ゆいちゃんのことスキとか言わねぇーの?」
「い、言うわけないじゃないですか!!!!
春日さんにとって私は…ただの居候ってゆうか…
家族だって言われました。
もっ、もちろん嬉しいですよっ?
ただ恋愛感情とかは…ないと思います……。」
やば、自分で言って悲しくなってきた。
「家族、ねえ。」
パスタはもうお皿から消えていた。