狂おしいほどに、恋の戯曲を
「…そ、う?なら良かったぁ〜。
俺こんな明るく染めたの初めてだったから不安だったんだよね。ま、ユイがそう言ってくれるなら暫くこの色でいようかな。
…ユイ、俺がいなくて寂しくなかった?」
そう一通り説明し終えるなり春日さんに後ろからぎゅっ、て抱き着かれた。
胸がきゅんてして、心臓のどきどきが速くなる。
これ、絶対反則…。
でも平常心、平常心…、多分ペットとか、妹とかに思われてんだろな…。
そう割り切ってなんとか自分を保つ。
「全然平気でしたよ〜!
…っあ、奏太さんが帰ってきてましたよ!今はまた出かけちゃったけど…荷物置いてあるし多分また来ると思いますっ。何か春日さんに用があったみたいですよ?
にしても奏太さん夜中にいきなり家入って来るもんだからびっくりしちゃいましたよ〜奏太さんってばね、」
矢継ぎ早に言葉を続けると、急に体が浮いて、体が反転していた。
「かすが、さん?」
向き合った場所にあった春日さんの瞳は笑ってなくて、発した言葉はあまり声にならなかった。
じっと眉間にシワを寄せて私を見る春日さんに鼓動が速まる。
「奏太のはなしは、いらない。」
「俺はユイと会えなくて寂しかったよ」と言う声があまりにも切なくて、私の心に染み込んだ。
こんなの、ズルイ。