狂おしいほどに、恋の戯曲を



「あ。あったまった?」



ドアの音に気付いた春日さんがこっちを見て言う。



「あ、はい…すみません。お風呂とか服まで借りちゃって…。
服が乾いたらすぐ出て行くんで、本当にすみません…。」



「…行くとこあるの?」



「え…。あ、あります…きっと、多分なんとかなるんで、大丈夫です!」







「…本当にあるんだったら目ぇ見て言えよ。」






 急に変わった春日さんの雰囲気に、思わず伏せていた顔をあげた。
目を合わせなかったのは、もちろん本当は行くことがないことっていうのもある。
でも…。それ以上に私を困惑させたのは、春日さんだった。

お風呂を出て初めて明かりのもとで春日さんを見た私は、正直面喰った。


だって、すごいかっこいい……。



ほんと、世の中でいうイケメンの中でも、すごいかっこいい部類だと感じた。
背も高くて、顔の整いようは芸能人かと思うほどだった。




「って、え?顔すごい赤いじゃん。風邪ひいた!?あたまいたくない?」



コロッとまた雰囲気が一転した春日さんが心配そうに近づいてくる。



「だ、大丈夫です…。」


(強いて言うならあなたのせいなんです……っ)




「うーん、とりあえず湯ざめしないように早くこっちきて。」




半ば無理矢理に手をひっぱられて、ベッドに寝かされた。


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