狂おしいほどに、恋の戯曲を




「ゆぅーーーーいぃいぃーーー!!!」



朝からヤダヤダと駄々っ子になっているのは那智。


「なにお前ら、またソイツのことで騒いでんの?」


ひょいっと週刊誌をつまみあげ、ばかにしたような口調で話し掛けてきたのは優斗だ。



「ゆ、ゆうとくん!返してぇぇ!!!」


週刊誌を取り合いっこしてる二人をやれやれといった表情で眺めた。



週刊誌とかって、正直どこまで本当のことなのか分からないし、大して興味も無かったけど今回ばかりは違う。


多分その記事は真実で。

ここ二日は春日さんと顔を合わせていないけど、今はそれで良かったと思う。

今会ったら、うまく笑えるか分からない。


だけど、もしかしたら今も美知流さんといるのかな?って考えると、胸がぎゅって痛くなった。



「那智、私そろそろ帰るね。」


「っえ、もう帰っちゃうの!?」



もうって、もう6時回ってるし…。

まあ帰ったところでどうせ一人なんだけど。そんなことを思いながら二人と教室で別れた。


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