狂おしいほどに、恋の戯曲を
もう、春日さんの家に行くつもりはなかった。
家に帰るつもりもなかったし、学校もさぼるつもりだった。
…でも、春日さんに言われたから、自然と足は家へと向かっていた。
(わざわざ地図まで書いてもらっちゃったし……仕方なくだもん。)
午前9時、家に着いて中に入ってみたけど
もちろん両親はいなかった。
今頃仕事にあくせくしているはずだから。
制服に着替えて、遅刻でも学校に行くことにした。
「おはようゆい~っ!どうしたの?もう2限終わっちゃったよ?」
「おはよ那智。ちょっといろいろあってね…」
2限の終わりに学校について教室にはいると、
さっそく友達の相川 那智(あいかわ なち)が話しかけてきた。